『後漢書 馬容伝』の原文と翻訳、『馬容伝』より抜粋

『後漢書』は、南宋代の歴史家・范業が編纂した年代記形式の歴史書である。『二十四史』の一つで、『史記』『漢書』『三国志』とともに「四前史」と呼ばれ、主に東漢の195年間の歴史を記録している。次の Interesting History 編集者は、皆さんと共有するために関連コンテンツを用意しました。

『後漢書 馬容伝』の原文と翻訳

オリジナル：

馬容は、雅号を吉昌といい、阜豊茂陵の出身で、建築主任の厳の息子であった。彼は言葉遣いが美しく、容姿も良く、素晴らしい才能の持ち主です。景昭智訓は最初、儒学を教え、南山で隠遁生活を送っていた。いかなる勧誘にも応じなかったが、関西ではその名がよく知られていた。容は彼の研究旅行に同行し、古典に精通した。荀は容の才能に感銘を受け、容の娘を彼と結婚させた。永初二年、将軍鄧植は容の名を聞いて召し出し、侍従とした。それは彼の趣味ではなかったので、彼は命令を拒否し、涼州の武都と漢陽の国境地域に留まりました。羌族の反乱が起こり、国境地帯は混乱に陥った。米や穀物の値段が高騰し、関の西側では道のいたるところに死体が見られた。容は空腹で疲れていたので、後悔してため息をつき、友人に言った。「昔の人はこう言っています。『左手で世界地図を持ち、右手で喉を切ったら、愚か者はそんなことはしない。』 理由は、命はこの世の何よりも貴重だからです。さて、ちょっとした俗悪な恥のために、財産もなく自分の体を滅ぼすなんて、老子や荘子の言いたかったことではありません。」 そこで彼は智の呼びかけに応じに行きました。

4年目には、校監閔中に任じられ、東莞【注】に赴いて校監秘書を務めた。当時、鄧太后が政権を握っており、智とその兄弟たちは政権を補佐していた。しかし、当時の庶民の学者や文人は、文化や徳を高め、武功を捨て去るべきだと考え、狩猟の儀礼を廃止し、戦闘や合戦の技術を止めた。その結果、狡猾な盗賊が状況を利用し、準備不足につけ込むようになった。容は、文武の道は聖人や賢者によって伝えられてきたものであり、五つの才能の活用は決して放棄されるべきではないと考え、感謝した。元初二年、諷刺と忠告を込めた『光成歌』を提出した。宋の追悼式は鄧一族の怒りを買い、宋は移送されることなく10年間東宮に拘留された。兄の息子が亡くなったため、彼は辞職して帰国した。皇太后はこれを聞いて激怒し、容は勅命を恥じて県や郡に出仕したいと言い、彼を投獄するよう命じた。太后が崩御した後、安帝が政務を執り、朗を官職に呼び戻し、講義省に復帰させた。彼は河間にある王宮厩舎の主任書記に任命された。皇帝が泰山へ東巡りをしていたとき、容は『東巡頌』を皇帝に献上した。皇帝はその文章に感銘を受け、容を医者として召し出した。容は優れた才能と幅広い知識を持ち、世界的に有名な学者であり、何千人もの弟子を教えた人物でした。彼は琴と笛の演奏が上手で、儒教の倫理に縛られることなく、自由奔放な人生を送っていました。家や食器、衣服には豪華な装飾品がいっぱいです。彼はかつて、深紅の紗のカーテンがかかった高いホールに座り、前にいる学生たちに教え、後ろにいる女性音楽家たちに教えを説いていた。弟子たちは順番に技術を伝え、彼の部屋に入る人はほとんどいなかった。彼はかつて『左伝』を解説しようとしたが、賈逵と鄭中の注釈を見て、「賈氏は細心だが広大ではない。鄭氏は広大だが細心ではない。二人とも細心で広大であるのだから、私は何を付け加えることができようか」と考え、その後『三評の類似点と相違点について』を著した。彼は『孝経』『論語』『詩経』などに注釈をつけ、二十一首の詩、頌歌、碑文、哀歌などを著した。容は最初、鄧小平に罰せられ、豪族に逆らうことを二度としなかったため、梁冀のために李固の追悼文を起草し、将軍のために「西居頌」を書いて、義理の民を恥じ入らせた。彼は延熙9年に88歳で自宅で亡くなった。彼は簡素な埋葬をするようにという指示を残した。

馬容は鄧家の職を辞し、龍と漢の間で迷った。貞潔を貫く決心をしたが、後に凡庸な学者の貞潔を恥じ、自分の貧しい身体を悔いた。結局、贅沢と快楽に耽り、集団に加わったため、非難を浴びた。確かに、彼の欲望を正せる知識人はほとんどいない。生活が苦しいときは、自分を大切にする気持ちが弱くなり、生活が豊かなときは、生き残ることへの不安が深くなります。高い所に登ることを恐れない人は謙虚な人であり、座っているときに頭を下げない人は裕福な家庭の息子です。全体的な考え方を理解するには、自分が安心できる場所に戻るだけです。

（『後漢書 馬容伝』より抜粋）

【注】東関：漢代の宮殿にある書籍の保管と執筆を行う施設。

翻訳：

馬容は、愛称は吉昌、阜豊の茂陵の出身で、主任建築家の馬炎の息子であった。馬容はハンサムで、雄弁で、才能に恵まれていた。智勲は最初、都で学生に儒学を教え、南山に隠遁していた。彼は朝廷の召集を断り、関西地方で非常に有名だった。馬容は彼に従って勉強し、儒教の経典に精通した。智勲は馬容が並外れた才能の持ち主だと考え、自分の娘を馬容と結婚させた。永初二年、将軍鄧志は馬容の評判を聞いて召し出し侍従としたが、馬容は大変不満で同意せず、涼州の武都と漢陽に留まった。当時、羌族の蛮族は国境を急速に攻撃し、国境は混乱し、食料価格は高騰し、万里の長城の西側の道では餓死する人々の姿が至る所で見られた。飢えと苦難に陥った後、馬容は自分の行いを後悔し、友人にため息をついて言った。「昔の人は『左手に世界地図を持ち、右手で自分の首を切るのは愚かな者のすることではない』と言っています。その理由は、命は世界よりも貴重だからです。さて、世俗的な屈辱のために自分の尊い体を滅ぼすのは、老子や荘子が認めることではないでしょう。」そこで彼は鄧芝の誘いを受け入れた。

永初四年、彼は校監に任命され、校監の秘書として働くために東莞に赴いた。当時、鄧太后が政務を担当し、鄧志兄弟が彼女を補佐していた。しかし、当時の浅はかな儒学者や知識人たちは、文化と徳を高め、武力を廃止すべきだと信じていたため、狩猟の儀式を中止し、戦闘隊形に関する法律を停止しました。その結果、狡猾な盗賊が横行し、朝廷の不備につけ込むようになりました。馬容は、聖人たちが文武の道を捨てておらず、勇気、知恵、仁、信義、忠誠の五つの徳はどれも廃れることはないと信じ、感動と憤りに満たされた。元初二年、彼はこの件について助言と抗議をするために『光成詩』を提出した。 『光成宋』の提出は鄧家の名誉を傷つけ、馬容は東宮に拘留され、10年間も新しい職に就くことができなかった。弟の子供が亡くなったため、彼は帰宅を許可するよう裁判所に求めた。太后はこれを聞いて非常に怒り、馬容が朝廷の任命を侮辱し軽蔑し、県の官吏になろうとしていると考え、彼を投獄するよう命じました。皇太后が亡くなった後、安劉虎帝が権力を握り、彼を朗官府に呼び戻して侍従朗官として、後に皇帝の教授として務めさせた。その後、彼は都を離れ、和堅王の厩務員となった。当時、皇帝は東の泰山へ巡幸していた。馬容は「東巡幸頌」と題する文章を書いた。皇帝はその文章が素晴らしいと考え、彼を北京に呼び寄せて医者に任命した。馬容は才能と博識に富んだ人物であり、当時の偉大な学者であり、何千人もの学生を教えていました。彼は琴を上手に弾き、笛を吹くのが好きでした。性格は自由で率直で、儒学者の礼儀作法に縛られませんでした。家の中の道具や衣服は、ほとんどが豪華で精巧に装飾されています。彼はかつて、真紅の紗のカーテンが前に垂れ下がった高いホールに座り、学生たちに教えを説き、背後には女性音楽家が並んでいた。学生たちは彼の教えを順番に学び、ホールに入る人はほとんどいなかった。彼はかつて『左伝』に注釈をつけようとしたが、賈逵と鄭中の注釈を見て、「賈氏は奥が深いが広さがなく、鄭氏は広さがあるが奥が深くない。深さと広さの両方で私を超える者はいるだろうか」と言った。彼は『三評相異論』を書き、『孝書』『論語』『詩経』などに注釈をつけ、附、頌、碑、哀歌など計21篇を著した。当初、馬容は鄧小平に処罰され、再び権力者に逆らって怒らせる勇気がなかったので、梁基将軍の追悼文を起草して李固を弾劾し、さらに梁基を讃える『西濟歌』を著したため、義理の人たちから辱めを受けた。彼は延熙9年に88歳で自宅で亡くなった。彼は簡素な埋葬を希望する遺言を残した。

（范燁）は次のように評した。馬容は鄧志の要求を受け入れず、龍漢の地で躊躇した。それは自分の道徳を貫きたかったからだろうか。そして、無知で名声を守り、高貴な体を大切にしていることに恥じた。結局、贅沢と快楽に心を浸し、徒党を組んで他人の嘲笑の的となった。自分の欲望をコントロールできる人はほとんどいない。おそらく、仕事が大変であれば、自分自身を守ることについてあまり気にしなくなるでしょう。一方、生活が順調であれば、自分自身の安全と保護についてもっと心配するでしょう。恐れずに高い所に登る者は囚人である。軒下に座らない者は富める者である。その主な理由は、両者が異なる環境にあることです。