『後漢書 地武論伝』第41巻より抜粋した原文と翻訳

『後漢書』は、南宋代の歴史家・范業が編纂した年代記形式の歴史書である。『二十四史』の一つで、『史記』『漢書』『三国志』とともに「四前史」と呼ばれ、主に東漢の195年間の歴史を記録している。次の Interesting History 編集者は、皆さんと共有するために関連コンテンツを用意しました。

『後漢書 地武論伝』の原文と翻訳

オリジナル：

地武倫は、名を伯宇といい、荊昭の長陵の出身である。 29年、倫は淮陽帝に従って都に上り、臣下たちと共に帝に謁見した。帝は倫に国政について尋ね、倫は政治に関する質問に答え、帝を大いに喜ばせた。彼は死後、会稽の知事に任命された。会稽の人々は淫らな供儀や占いを好みます。人々は神々に牛を犠牲として捧げることが多く、そのせいで財産が減ってしまいました。倫は官職に着くと、従属する郡に手紙を書き、幽霊や神に頼って無知な民を騙し怖がらせるシャーマンは調査して処罰すべきだと民に伝えた。許可なく牛を屠殺する者は役人によって処罰される。中華民国が建国された当初、人々は非常に恐れ、中には悪態をついたり、意味不明なことを言ったりする者もおり、倫理の問題はより緊急なものとなっていました。その後、紛争は止み、人々は平和に暮らしました。

永平5年、倫は法によって徴兵された。老人も子供も車に乗り、泣きながら互いの後をついて歩いた。一日に数里ずつ歩いたが、前に進むことができなかった。そこで倫は亭に止まったふりをして、こっそりと船で出発した。蜀県知事に就任。蜀は肥沃な土地で、民も官吏も裕福である。官吏の中には数千万の財産を持つ者もおり、皆立派な車や馬を持ち、その富で旅をしている。倫は裕福で裕福な人々をすべて選別して送り返し、貧しく野心的な人々を政府の役職に選抜した。その結果、賄賂をめぐる競争が抑制され、官僚制度が改善された。彼が推薦した官僚の多くは九大臣や二千官に昇進し、彼は才能ある人物とみなされた。粛宗皇帝が初めて権力を握ったとき、彼は遠く離れた郡から昇進し、穆容に代わって司空となった。明徳皇太后のおかげで、皇帝は叔父の馬遼を尊敬し、兄弟は両方の官職に就き、多くの名士が彼のもとに集まった。ルンの一族が権力を握りすぎたため、ルンは朝廷にその権力を縮小するよう求め、朝廷に請願書を提出した。馬芳②が車騎将軍に任じられ、西羌に遠征しようとした時、倫はまた申状を提出し、「馬芳が杜杜に中郎を頼んだと聞いた。杜は村人に見捨てられ、今は梅陽に住んでいて、妹が馬と結婚しており、その縁で人脈を築いている。彼の住んでいる県の知事は彼の違法行為に困り、彼を逮捕して尋問した。今、彼が方のもとに来たので、協議する者は皆疑惑と驚きを覚える。しかも、もし彼を中郎に任じれば、議論が朝廷にまで及ぶ可能性がある。今は徳のある有能な者を選んで補佐するのが適切であり、方自らが誰かを頼むことは許さず、名誉を傷つけることになる」と述べた。彼は採用されなかった。

ルンは職務に専念し、決して自分の意志に反することはありません。弟子の何人かが彼にやめるように勧めると、彼は彼らを叱り、追い払いました。書記官の陳述書やその他の書類も封印されて提出され、彼らの公平さが示された。しかし、彼には洗練さが欠けており、品格も育んでいないので、その点において軽蔑されている。ある人が倫に尋ねた。「あなたには利己心がありますか？」倫は答えた。「昔、ある人が私に千里の馬をくれました。私はそれを断りましたが、三公が私を選び、私はそれを忘れることができませんでした。しかし、結局私はそれを利用しませんでした。私の息子が病気になったとき、私は一晩中眠らず、見舞いにも行きませんでした。このようにして、私は利己心がないと言えるでしょうか？」

（『後漢書』第41巻より抜粋）

【注釈】 ①qiú：賄賂。 ②馬芳：馬遼の弟。

翻訳：

地武倫は、名を博玉といい、荊昭の長陵の出身である。建武29年、淮陽王に従って都に上り、他の官吏とともに皇帝に迎えられた。光武帝（劉秀）が彼に政務について尋ねたところ、地武倫はその機会を利用して政務についての見解を答え、光武帝は非常に喜んだ。彼は会稽の知事に任命された。会稽地域では寺院が無差別に建てられ、祭祀が頻繁に行われていました。また、人々は占いを好み、牛を鬼や神に捧げる供物として使うことが多かったため、財産が乏しかったのです。竟武倫は就任後、管轄下にあるすべての県に文書を送り、幽霊や神々を利用して人々を脅迫、威嚇、欺く魔女や魔術師は調査され処罰されるだろうと人々に明確に通知した。誰かが無差別に牛を殺した場合、役人は彼を罰するでしょう。人々は非常に恐れ始め、一部の魔女や魔法使いは呪いの言葉を吐いたり、意味不明なことを言ったりしました。しかし、地武倫は事件を詳しく調査し、その後、そのような事件は次第に消え、人々は落ち着きました。

永平5年、地武倫は法を犯したため再び朝廷に召喚された。郡内の老人や子供たちは泣きながら荷車を引いてついて来たが、一日に数マイルしか歩けず、前に進むことができなかった。地武倫は宿場に留まるふりをして、密かに船で出発した。その後、彼は蜀県知事に任命された。蜀県の田畑は肥沃で、官吏や庶民は裕福であった。官吏や書記の財産は数千万に上り、彼らはみな背の高い馬に引かれた美しい馬車に乗っていた。多くの人々は富のおかげで公職に就くことができました。地武倫は裕福な家庭の役人を選んで全員を故郷に帰らせ、代わりに弱く貧しいが道徳心のある人々を部下として選んだ。それ以来、賄賂行為は禁止され、役人の職務は是正されました。彼が推薦した人材の多くは九大臣や二千石に昇進しており、当時の人々は彼が人材の発掘に長けていたと信じていました。粛宗皇帝が即位するとすぐに、地武倫が僻県から昇進し、牟容に代わって工部大臣となった。明徳皇太后のおかげで、皇帝は叔父の馬遼を尊敬しました。馬兄弟は皆重要な地位に就き、官僚たちは彼らを喜ばせ、彼らに仕えようと競い合いました。 Diwu Lun believed that the Queen's relatives were too powerful and wanted the court to reduce their power, so he submitted a memorial. When Ma Fang was appointed General of Chariots and Cavalry and was preparing to send troops to conquer the Western Qiang, Diwu Lun submitted another memorial saying, "I heard that Ma Fang asked Du Du to be a secretary to the imperial court. Du Du was despised by his fellow villagers and lived in Meiyang. His sister was Ma's wife, and he relied on this relationship to associate with the Ma family. The magistrate of his county was deeply troubled by his non-compliance with the law and arrested him to convict him. Now that he has come to Ma Fang, those who are talking about him are suspicious and surprised. What's more, he was appointed as a secretary. I am afraid that people will talk about the court because of this. Now we should select virtuous and capable people to assist Ma Fang. We should not let Ma Fang hire people himself, so as not to damage his career and reputation." None of his opinions were examined and adopted.

地武倫は公務に献身し、常に道徳的誠実さを貫いた。国政について議論する手紙を書くとき、意に反して誰かにへつらうことは決してなかった。時には息子たちがそうしないように忠告しても、彼は彼らを叱責し、また、その件についてどう対処すべきかという役人たちの陳述書や意見を封印して報告しました。地武倫は、このように公平で無私な人でした。しかし、彼には繊細さと寛容さが欠けており、威厳と態度も欠けていたため、軽蔑されていました。ある人が地武倫に「利己的な動機があるのですか」と尋ねた。地武倫は答えた。「以前、誰かが私に千里の馬をくれたのですが、私はそれを受け取りませんでした。しかし、その後、三官が官吏を推薦するたびに、私は彼を忘れることができず、結局彼を利用しませんでした。私の息子が病気になったとき、見舞いに行かなくても一晩中眠れませんでした。それで、利己的な動機がないと言えるでしょうか」